著書 - 榑沼 範久
件数 16 件-
吉原 直樹, 榑沼 範久, 都市空間研究会( 担当: 共編者(共編著者) , 範囲: 「都市のスケールとリズムについて」「現代世界の始まりのマッシュルーム」「イスラーム都市から考える」「地中海世界のヴェネツィア」「都市と世界を揺らす」「都市空間研究会について」)
東信堂 2020年4月 ( ISBN:9784798916361 )
総ページ数:176 記述言語:日本語 著書種別:学術書
「「明日の世界」「明日の都市」を揺らがせる、明後日の方向を向いた、あの「明日の世界」「明日の都市」がありうる。都市を根底から揺らすのは巨大地震や巨大津波、そして放射性物質を含む廃棄物汚染、世界的感染症流行(パンデミック)、経済戦争、軍事戦争ばかりではないのだ。第一に、重要ながら人口は唯一の世界の条件、都市の条件ではない。人類だけが地球の存在ではないことがひとつ。そして、atom(原子)を分割できるように、規定のindividual(個人・個体・個物)も複数の振動する要素に分割することができる。限られた世界のなかで人口は増大しても、存在量や要素量は増大しているだろうか。それでいてindividualは複数の要素の波動に分離しつつ、他の要素の波動と遭遇、結合することで、寄生虫的存在との長引く闘いのなか、別の波動の同盟を生み出していく。多種(マルチスピーシーズ)都市学、多種(マルチスピーシーズ)政治学。第二に、衰退の大波のなかにも多数の異質の小さい波動がうねり合い、蠢(うごめ)き合い、鳴り響いている。ことに現代世界では世界史の律動の尺度にねじれも生じている(われわれはブローデルの枠組みを変形する必要がある)。長期持続・大域延長に分類されるはずの環境が中期的・地域的に変動するかと思えば、短期・局所の社会的事件が長期持続・大域延長の環境を不可逆に変動させることもあるからだ。これは可能性の条件でもある。時間的にも空間的にも、小さなものが大きなものに包囲されるモデルだけで考える必要はない。だから、「明日の世界について、何か予言することなどとうてい不可能です」という言葉は、文字通りに受け止めなければならない。何よりもわれわれにとっては、「明日の世界」「明日の都市」が「私の属する世界」であり、「私の愛する世界」なのだから。」
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『都市科学事典』
榑沼範久( 担当: 分担執筆 , 範囲: 「地図のある歴史ー都市科学者と世界史的空間」「非都市のエレメンツーこの惑星を構成するものたち、そして水の法」)
春風社 2021年2月 ( ISBN:9784861107344 )
総ページ数:1026 担当ページ:172-3, 988-9 記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書
「都市科学者は世界史を旅する。なぜなら、ひとつの国家のなかに都市があるのではなく、ひとつひとつの都市のなかにも、交差し、混合し、明滅する複数の国家や社会や文化があるからだ。何よりも都市は収集体(アッサンブラージュ)として在立する。そのため、歴史の時間のなかを過ぎ去っていったはずの出来事が、事象の混在する都市空間に痕跡をとどめ、世界史的出来事を表出してくることがある。だから都市科学者は、都市に碇泊することで世界史を旅するのだ。」(「地図のある歴史ー都市科学者と世界史的空間」)「われわれの名前を人間はまだ確定していない。いまだ都市と呼ばれるものに似た仲間もいるが、われわれは自然を超えるのみならず、都市を超えるものに変容しつつある。」(「非都市のエレメンツーこの惑星を構成するものたち、そして水の法」 )
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『美学の事典』
榑沼範久( 担当: 分担執筆 , 範囲: 「ポストメディウム/ポストメディア―現代芸術の条件としての」「芸術とポストモダニズム―範例としての『浜辺のアインシュタイン』」)
丸善 2020年12月 ( ISBN:9784621305423 )
総ページ数:735 担当ページ:318-9, 346-7 記述言語:日本語 著書種別:事典・辞書
グリーンバーグは「文化の危機に抵抗するモダニズムの条件を作品の物質性―グリーンバーグにとってのメディウム―の抵抗に置き, メディウムの抵抗との緊迫した関係に作品の魅力を感じ取っていった. (…)こうしたモダニズムの条件を, 実のところグリーンバーグは唯一の批評基準とみなしてはいない. 同時代でも, 歴史の展開に応じても, 他の批評基準が存在しうると注意を促していた.」(「ポストメディウム/ポストメディア―現代芸術の条件としての」 )「この非-オペラは, オーウェンスが論じた美学の水準のみならず, 世界の歴史の水準で把握することもできる。架空の歴史裁判で証言をすることもなく, 無言のままヴァイオリンを弾いている「アインシュタイン」を, 消費社会的な「歴史感覚の喪失」と診断することもできるが, 「正当化のメタ物語」に支えられた科学の末路(原子爆弾という歴史の悪夢)から「アインシュタイン」を離脱させ, 波打つリズムと「宇宙機械」に接近させる思考実験や操作と見ることもできるのだ.(…)科学-国家-経済の近代的三位一体から科学を切断し, 芸術との結合を促進させるような世界史の再発明も, この非-オペラは宿している.」(「芸術とポストモダニズム―範例としての『浜辺のアインシュタイン』」)
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『運動+(反)成長-身体医文化論II』(武藤浩史・榑沼範久編)
武藤浩史(慶應義塾大学)他( 担当: 共著)
慶應義塾大学出版会 2003年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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横浜国立大学総合学術高等研究院生物圏研究ユニット生物文化多様性ラボ, 河内 啓成, 倉田 薫子, 榑沼 範久 , 佐藤 峰, 鈴木 香織, 高芝 麻子 , 原口 健一 , 森部 絢嗣( 担当: 単著)
横浜国立大学総合学術高等研究院生物圏研究ユニット生物文化多様性ラボ 2024年8月
記述言語:日本語 著書種別:学術書
二十四節気・七十二候の暦から、生物・事物・文化・社会の絡まり合いを説き直す。【七十二候】紅花栄:「色の伝播と変容。蚕食桑と紅花栄の隣接。古代に大陸や大海を進んだ紅の道。花は黄から紅へとわたり、花餅は夜を跨いで純白の絹糸を真紅に染める。眉掃きをおもかげにして紅粉の花、行く末は誰が肌ふれん紅の花(芭蕉)に高畑勲監督『おもひでぽろぽろ』。紅花が引きこむ過去と未来の幻想。」、【二十四節気】冬至:「二つの世界ではやはりそれぞれ二つの別の自分があるのではないか」。寺田寅彦がそう書いたのは「東京の自分」と「星野の自分」の来復のことだ(『柿の種』)。冬至に星野温泉の柚子湯につかり物思いに耽る。夏至が遠い別の世界にある気がする。「冬の自分」と「夏の自分」もあるのではないか。」など。
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『岩波講座哲学12-性/愛の哲学』
川本隆史( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「ダーウィン、フロイト―剥き出しの性/生、そして差異の問題」(91-115頁) )
岩波書店 2010年10月 ( ISBN:978-400011272 )
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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『倫理問題101問』(マーティン・コーエン)
( 担当: 単訳)
ちくま学芸文庫 2007年5月
記述言語:日本語 著書種別:その他
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『視覚論』(ハル・フォスター編)
( 担当: 単訳)
平凡社ライブラリー 2007年
記述言語:日本語 著書種別:その他
文庫本版訳者あとがきを付す
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『ファミリー・ トラブル―近代家族/ジェンダーのゆくえ』
金井淑子、榑沼範久、橋本順光、清田友則、松原宏之( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「〈家族なんていないと想像してごらん〉と歌わなかったジョン・レノン」(51-76頁) )
明石書店 2006年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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『溶解する[大学]』
室井尚、榑沼範久( 担当: 共著 , 範囲: ・ 榑沼範久「〈溶解する大学〉の現状・断章」(90-99頁))
慶應義塾大学出版会 2006年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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『近代日本の身体感覚』
栗山茂久(国際日本文化研究センター)・ 北澤一利(北海道教育大学)他( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「〈人間化〉から〈動物化〉へ―舞踏家・土方巽の〈肉体の叛乱〉」(331-356頁) )
青弓社 2004年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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『暴力と戦争』
室井尚、ジャックリーヌ・ベルント、榑沼範久( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「<9.11のスペクタクル>→<生存のためのデザイン>」(19-39頁))
東海大学出版会 2003年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
日本記号学会編『暴力と戦争』記号学研究23
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『20世紀の美術と思想』
谷川渥、榑沼範久( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「ハル・フォスター」(188-189 頁))
美術出版社 2002年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
谷川渥・美術手帖編集部編
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『身体医文化論—感覚と欲望』
石塚久郎、鈴木晃仁、榑沼範久( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「フライト・シミュレーターのヴィジョン」(407-437頁))
慶應義塾大学出版会 2002年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
石塚久郎+鈴木晃仁編
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『表象のディスクール4-イメージ、不可視なるものの強度』
小林康夫・松浦寿輝(東京大学)他( 担当: 共著 , 範囲: 榑沼範久「自滅するヴィジョン―プラトー、ラカン、『ピーピング・トム』」(269-89頁))
東京大学出版会 2000年
記述言語:日本語 著書種別:学術書
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『視覚論』(ハル・フォスター編)
( 担当: 単訳)
平凡社(テオリア叢書) 2000年
記述言語:日本語 著書種別:その他
訳者解題を付す。単行本版。