社会活動(公開講座等) - 榑沼 範久
件数 17 件-
「豊穣な未来社会へ、災害を媒介に」
役割:出演, 司会
豊穣な社会研究センター/横浜国立大学 防災KOKUDAI 2023年9月
種別:フェスティバル
防災の重要性に異論はない。ただ、私たちは防災という言葉を使った瞬間に災害を敵とみなし、敵からの防衛に意識を集中させてしまう...。まるで敵がいなくなれば問題がなくなるかのように。しかし災害とはむしろ、私たち自身を映し出す鏡ではないか。この鏡を媒介に、来るべき私たちの未来社会を考える。なお、議論をするに先立ち、このフェスティバルに集まった人たちと言葉やイメージを最初に共有するところから議論を始めるために、テーマに関連する複数の言葉、複数の声を集めて朗読する「朗読劇」を上演した。取り上げた言葉の出典はカレル・チャペック『山椒魚戦争』、ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」、ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、小松左京「地球社会学の構想」「廃墟の空間文明」、寺田寅彦『柿の種』、鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』、吉本隆明「南島論序説」、ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』、武田邦彦『これからの日本に必要な「絡合力」』、ダナ・ハラウェイ『犬と人が出会うとき 異種恊働のポリティクス』、渡辺憲司『海を感じなさい』、ヘンリー・デイヴィッド・ソロー「現代の商業精神」、マルセル・プルースト『失われた時を求めて』、ハンナ・ア―レント『活動的生』、スタニスワフ・レム『ソラリス』など。司会進行:榑沼 範久、朗読者:有馬 優、榑沼 範久、細田 暁、パネラー:細田 暁(センター長)、松永 昭吾(客員教授)、河野 克典(客員教授)、佐藤千惠(客員教授)
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「豊穣な社会へ、「日本沈没」を超えて」
役割:パネリスト
豊穣な社会研究センター/横浜国立大学 防災KOKUDAI 2023年9月
種別:フェスティバル
長らく低迷・衰退が続く日本社会に、遠からず襲ってくるであろう国難をもたらす巨大自然災害を乗り越えて、私たちが目指すべき豊穣な社会の方向性を議論した。なお、議論をするに先立ち、このフェスティバルに集まった人たちと言葉やイメージを最初に共有するところから議論を始めるために、テーマに関連する複数の言葉、複数の声を集めて朗読する「朗読劇」を上演した。取り上げた言葉の出典は小松左京『日本沈没』「廃墟の空間文明」、寺田寅彦「天災と国防」「災難雑考」「日本人の自然観」『柿の種』、ジャン=ピエール・デュピュイ『ありえないことが現実になるとき 賢明な破局論にむけて』『ツナミの小形而上学』、ギュンター・アンダース『ヒロシマはいたるところに』、『表現者クライテリオン』特集「「岸田文雄」はニッポンジンの象徴である“依存症”のなれの果て」、エミール・デュルケーム『自殺論』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、藤井聡、森井じゅん『消費税減税 ニッポン復活論』、ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』、渡辺憲司『海を感じなさい』など。司会進行:細田 暁(センター長)、朗読者:有馬 優、榑沼 範久、細田 暁、パネラー:榑沼 範久、松永 昭吾(客員教授)、河野 克典(客員教授)、真鍋 誠司
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「「ここは天国にも地獄にもなりうる」:厄災のなかのパラダイスに向けて」
役割:パネリスト, 司会
豊穣な社会研究センター/横浜国立大学 防災KOKUDAI 2023年9月
種別:フェスティバル
災害が起きたときの私たちの命運は、死生観を含む私たちの生き方によって大きく変わるだろう。私たちが豊穣な社会に向けて目指しうる人間の在り方、そして、つながり方を議論した。なお、議論をするに先立ち、このフェスティバルに集まった人たちと言葉やイメージを最初に共有するところから議論を始めるために、テーマに関連する複数の言葉、複数の声を集めて朗読する「朗読劇」を上演した。取り上げた言葉の出典は寺田寅彦『柿の種』「災難雑考」、渡辺憲司『海を感じなさい 次の世代を生きる君たちへ』、石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか』、吉村昭『関東大震災』『三陸海岸大津波』、藤本和子『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』、ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』、森健『「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語』、『表現者クライテリオン』特集「思想としての防災」、ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム 世界に抗う土着の秩序の作り方』、ナオミ・クライン『楽園をめぐる闘い 災害資本主義者に立ち向かうプエルトリコ』など。司会進行:榑沼 範久、朗読者:有馬 優、榑沼 範久、細田 暁、パネラー:佐藤 千恵(客員教授)、松永 昭吾(客員教授)、細田 暁(センター長)。
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「Here, There, and (Not) Everywhere 今日は地衣日和? ―地衣類/都市を考える」
役割:パネリスト
横浜国立大学都市科学部 都市科学シンポジウム「都市から自然を、自然から都市を考える」 YouTubeライブ配信(一般)及び経済学部講義棟2号館111教室 2022年12月
種別:公開講座
森林にも、街中にも、南極にも、高山にも、海抜0メートル地帯にも、大学の構内にも、樹皮にも、岩肌にも、石材にも、金属の表面にも、ここにもあそこにも、けれどもどこにでもいるわけではなく、しかし都市も自然も関係なく、人知れず生きる地衣類たち(Lichens)。この藻類と菌類の共生体は、雨降る日や靄垂れこめる日には地衣日和とばかりに、柔らかさも色合いも変容させていく。じつに陸地表面の8%を占めると言わる地衣類は、人間中心のパースペクティヴからすれば染みのような「すみっこたち」でありながら、大陸を横断して分散する「World Wide Forests(汎世界森林)」の要素であり、大集合すればアメリカ合衆国や中華人民共和国の領土よりも広い「地衣国(Lichen Nation)」を構成する。19世紀後半、人類に「共生(Symbiose, Symbiosis)」の概念を教えた地衣類は、21世紀前半、人類に都市も自然も超える世界、「都市のあとに来るもの」のモデルを見せてくれるのではないか。
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「今夜もウェルネス!」第73回
役割:出演
インターネットラジオステーションOTTAVA 2021年5月
種別:テレビ・ラジオ番組
「1853年、シューマンの覚書を読んでみましょう。「10月15日 ディオティーマ 10月16日 ディオティーマ」。ディオティーマとはプラトンの対話篇である『饗宴』に登場する女性の名、そして精神を病みつつも創作を続け、1843年に亡くなった詩人ヘルダーリンの小説『ヒューペリオン』や詩篇に登場する女性の名です。シューマンの覚書を続けます。「10月17日 仕事に精進。精神的発作が襲うも、わが勝利 10月18日 「暁の歌」完成」。ここでシューマンはベートーヴェンと密かな、しかし強固な音楽の「同盟」を結んだのではないでしょうか。シューマンは、人生の、世界の、谷と谷の闇を生き抜くなかで、新しい音楽、新しい世界を作るための支えとなる密かな「同盟」を探し出してきたように思います。クラーラとの「同盟」。あるいは、同盟者たちが芸術を新しくしていくという想定のもとで書かれた1837年のピアノ曲「ダヴィッド同盟舞曲集」(作品6)。あるいは、ブラームスに1853年に出会って書いた評論「新しい道」など。「新しい道」には、こうあります。「どんな時代にも、近しい精神のひそかな同盟が存在する」、だから、それをしっかり結び合わせるのだと。」
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「今夜もウェルネス!」第72回
役割:出演
インターネットラジオステーションOTTAVA 2021年5月
種別:テレビ・ラジオ番組
50代半ば、最晩年のベートーヴェンが、『交響曲第9番』のあとに集中して取り組んだ弦楽四重奏曲、そのなかでも亡くなる前の年(1826年)に完成させた2曲から選ぶことにした。まずは弦楽四重奏曲、第14番(作品131)です。この曲は1828年に31歳で亡くなるシューベルトが聴きたいと願い、死の5日前にそれが叶えられた曲としても知られている。さらには、物理学者ロバート・オッペンハイマーが若い時から愛してやまず、1967年の告別式でジュリアード弦楽四重奏団が演奏した曲でもあります。続いては弦楽四重奏曲第16番(作品135)。 ミラン・クンデラの小説『存在の耐えられない軽さ』では、軽さと重さ、どちらに価値があるのか?という問いがくりかえされるなか、このベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲の最終楽章である第4楽章が登場していた。確かに、小説『存在の耐えられない軽さ』でクンデラが書くように、ベートーヴェンはこの笑いを誘うような状況を、「難しい決断」を表現する「重みのある」弦楽四重奏曲に変えたと言える。けれども、実際に聴いてみると、この曲は、最後の最後に、必然性、運命の声と重さの結びつきを、軽やかにひっくり返してしまうのだ。
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「今夜もウェルネス!」第64回
役割:出演
インターネットラジオステーションOTTAVA 2021年3月
種別:テレビ・ラジオ番組
「ホルン、クラリネット、そしてオーボエ。なぜシューマン はこれら管楽器に特別の場所を与えたのでしょうか。改めて考えると、こうした管楽器は、天空や大地に由来する金属や木材から作られた管を、人間が両手でつかみ、そこに息を吹きこんでいく楽器です。真っ直ぐの、あるいは、ねじられた管に開けられた穴を、指や手で閉じたり開いたりしながら、です。そのなかでもオーボエは植物の葦を削ったリード、それを二つ重ね、髪の毛1本、2本の細さしかない隙間に、息を吹きこむそうです。そして、そのリードは演奏者が自ら手作りするとのこと。オーボエは人間の声にもっとも近い楽器とも言われるようですが、私が思うに、人間の発声や呼吸を非常に困難な状況に置く、そして人間の呼吸と発声を変容させる。そこから言葉のない歌を生み出す。オーボエは、そうした楽器なのではないでしょうか。」
「1849年にシューマンはピアノを伴侶とするチェロの作品「民謡風の5つの小品」Op.102を書いていますが、翌年、ドレスデンからデュッセルドルフに活動の場を移すと、そのひとつのチェロをオーケストラと隣り合わせ、あの比類のない音楽、「チェロ協奏曲」Op.129を仕上げます。ここでは「オーボエとピアノのための3つのロマンス」第1曲のはじまりを反復するような旋律が、オーボエとフルートに導かれて始まると、そこにひとりの人間の身体の大きさをもったチェロの響きが入ってきます。そしてオーケストラという楽器の集団、いわば楽器の社会と、チェロがときに対峙し、ときに協働し、チェロがときに間をぬって進み、音の身をよじらせ、さまよい、彼方に向けて音を響かせるのです。不確実に揺れ動く社会と世界のなかで、さまざまな人生の嵐や病(やまい)のなかでも、むきだしの心で、もちこたえながら、まだ聴こえない音楽を追究していく。それはロベルト・シューマンという人間の、深いウェルネスの営みに違いありません。」 -
「今夜もウェルネス!」第60回
役割:出演
インターネットラジオステーションOTTAVA 2021年2月
種別:テレビ・ラジオ番組
グスタフ・マーラー『交響曲第九番』は死を予感し、死を受け入れる諦念を表現するような音楽ではない。第一楽章から最終楽章まで、親密なる生の息遣い、コミカルな表情、喧騒、そして音楽による完全燃焼がはかられる。最後には音があることとないこと(沈黙)、音が生じることと消えていくことが等価なものに至るまでに。このマーラー『交響曲第九番』の聞きどころを共有しながら、その音楽の魅力を語った。
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「今夜もウェルネス!」第61回
役割:出演
インターネットラジオステーションOTTAVA 「今夜もウェルネス!」 2021年2月
種別:テレビ・ラジオ番組
「私は生きるために死のう!よみがえる、そう、あなたはよみがえるだろう」と最終楽章で歌われ、白い巨大な炎のように上昇していくグスタフ・マーラー『交響曲第二番』。あるいは、ゲーテ『ファウスト』第二部に基づき、終末の「神秘の合唱」では、「過ぎ行くすべてのものは寓話にすぎない…永遠の女性が私たちを高みへ運んでいく」と歌われ、エクスタシーのなかをどこまでも上昇していくマーラー『交響曲第八番』。これらの運動の方向性とは異なり、マーラー『大地の歌』は最終楽章「告別」で大地の不気味なまでの鳴動を響かせる。月を浮べる蒼き天空を仰ぎ、風の蠢きを感じつつ、人間は疲れ果てて眠りにつくのだが、眠りのあとに到来するのは決して死ではない。自然の万象の眠りのなかで、肉体はむしろ幸福と若さを取り戻そうとする。万象の眠りのなかには春が来る。そして肉体は無限なる永遠の青い光を夢幻して大地に横たわるのだ。そして楽章冒頭と中盤に轟きわたる重低音がある。いわば大地の底から響いてくるのは、自然としての大地を超えた地球(Erde)の蠢き、その巨大な力ではないのか。この音楽は何よりも地球の歌を響かせようとしているのではないのか。番組では、ストラヴィンスキーの『春の祭典』やヴェーゲナーの大陸移動説との同時代性も語りながら、このマーラー『大地の歌』の聴きどころを語った。
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都市科学シンポジウム「都市の親水空間を考える」
役割:パネリスト
都市科学部 2019年7月
対象: 大学生
種別:講演会
都市科学シンポジウム「都市の親水空間を考える」のパネリストとして、発表「海神の姫から観た世界、あるいは未来の海道のために—都市は「二人の夢を混ぜ合わせる」ことができるか?—」を行った。海幸彦と山幸彦の神話(『古事記』)に折り畳まれた社会的・地政的出来事と生態的・地政的出来事を紐解き、どのようにして、われわれの未来は山幸彦と海神の姫(豊玉姫)の「二人の夢を混ぜ合わせる」ことができるのか、「「わたくしは、いつまでも海の道をとおって通い来て、子を育てようと思っておりました」という海神の姫の願いを叶えることができるのか。拙論「海神の姫から見た世界―海道、人神性、超自然契約」(『常盤台人間文化論叢』 第6巻第1号、2020年)の議論を圧縮しつつ、論文では展開していなかった下記の問題提起を行った。即ち、治水(浸水の制御)という都市人類史上重要な営みは、陸の思想であり、同じく重要な親水の営みも、陸の思想ではないのかということ。視点を陸の上から、水の中へ移動してみる。(海洋の塩水のなかに、河川の淡水のなかに、地下の水脈のなかに、われわれ生きものの身体の体液なかに、大気の水蒸気のなかに…)水の視点からすれば、治水の思想を逆転した「治土」ないし「治都」の技術があるのではないか。陸と水、あるい都市と水の関係を逆転した視点から、この世界を把握すること。親水と治水を対立させる議論や、対立のもとで両者のバランスを唱える段階を超えて、新しい領域を探しに出かけるための思考実験である。
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「西欧的空間の彼岸とイスラーム空間」
役割:パネリスト, 司会, 企画
都市空間研究会/都市イノベーション研究院 建築会館 2019年3月
対象: 大学生, 大学院生, 研究者, 社会人・一般
種別:セミナー・ワークショップ
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「〈都市的なるもの〉/〈都市世〉の臨界へ:アンリ・ルフェーブルの言葉を媒介に」
役割:パネリスト, 司会, 企画
都市空間研究会/都市イノベーション研究院 神保町ブックセンター 2019年1月
対象: 大学生, 大学院生, 教育関係者, 研究者, 社会人・一般, 学術団体
種別:セミナー・ワークショップ
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東京藝術大学取手アートパストークショー「ゲンゴロン」
役割:パネリスト
東京芸術大学 東京芸術大学 取手校地 メディア教育棟1F ピロティ 2016年12月
対象: 大学生, 大学院生
種別:講演会
トークショー「ゲンゴロン」
ゲスト:今井むつみ、榑沼範久
今年のトークイベントは、言語学者であり慶應義塾大学教授の今井むつみ様、東京藝術大学非常勤講師の榑沼範久様、加えて先端学生代表6名で行われる座談会。どのようにして私達は言語を取得しているのだろうか、言語が及ぼす、私達自身に対しての影響とは。あなたもきっと、色んな視点から向けられる言葉の数々に、今まで無意識だった「自分」を見つけることでしょう。 -
「地球と建築」(I・ II)
役割:出演, 企画
日本・横浜 2012年12月
対象: 大学生, 大学院生, 研究者, 社会人・一般
種別:講演会
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「これから生まれる建築と生態のために」(I・II)
役割:出演, 企画
日本・横浜 2010年10月
対象: 大学生, 大学院生, 研究者, 社会人・一般
種別:講演会
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視覚文化論の現在(3)美術史
役割:講師
立教大学アメリカ研究センター 立教大学 2005年3月
対象: 大学生, 大学院生
種別:講演会
美術史における視覚文化論の現在を検討。
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「ジェンダーと家族」-〈家族〉の肖像-ジョン・レノンの場合
役割:パネリスト
教育人間科学部 横浜ランドマークタワー 2005年2月
対象: 大学生, 大学院生, 研究者, 社会人・一般
種別:公開講座