論文 - 竹居 正登
件数 27 件-
A note on the long time behavior of the elephant random walk with stops
Tatsuya Akimoto, Masato Takei, Keisuke Taniguchi
Statistics & Probability Letters 224 ( 110436 ) 1 - 6 2025年9月 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
Elephant random walk with stopsは,"step-reinforcement/counterbalancing"と呼ばれる仕組みにより推移確率が変動する離散時間ランダムウォークであり,左右の隣接点に移動する他,その場で留まることも許したものである.各ステップにおいて思い出した行動を無視して「その場で留まる」行動をとる確率 r を固定したときに,記憶と同じ向きに進む度合いを表すもうひとつのパラメー タ p に応じて3つの異なる相が生じる.r>0 の場合,r=0 である通常のelephant random walkとは量的にも質的にも異なる極限挙動を示すことがBercu (2022)等によって示されている.本論文では,r>0 の場合の長時間挙動を記述するいくつかの定理を得た:時刻nまでに訪問した点の総数の増大度に関する極限定理について研究し,r, p に応じて多様な挙動が生じることを示した.また,r>0 の場合に時刻 n までにウォーカーが移動した回数と時刻 n でのウォーカーの位置の相関係数について調べ,ある種の特別な状況を除いては p に応じて n→∞ での挙動に3つの異なる様相が見られることを証明した.
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Law of the iterated logarithm for 1-D once-reinforced random walks
Andrea Collevecchio, Satoshi Ikezawa, Masato Takei
Electronic Communications in Probability 30 ( 22 ) 1 - 9 2025年2月 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
半直線上の初回限定強化ランダムウォークに対する重複対数の法則を証明した.
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The elephant random walk in the triangular array setting
Rahul Roy, Masato Takei, Hideki Tanemura
Journal of Applied Probability 2025年 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
Gut and Stadmüller (2021, 2022) は,以前の記憶の一部だけを参照するようなエレファントランダムウォークの変形版を導入し研究した.特に,Gut and Stadmüller (2022)は,エレファントがその場にとどまることを許し,さらに参照する記憶領域がだんだん広がるというモデルの相転移について論じている.その後,Aguech and El Machkouri (2024)は,エレファントがその場にとどまることがない場合に限ってGut and Stadmüller (2022)の結果を拡張した.本論文では,Gut and Stadmüller (2022)のモデルを明快に定式化し直した上で,エレファントがその場にとどまる場合も含めて,Gut and Stadmüller (2022)で述べられている未解決問題に完全な解答を与えた.優臨界的な場合の中心極限定理など,新たな結果も得られている.
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Phase transitions for a unidirectional elephant random walk with a power law memory
Rahul Roy, Masato Takei, Hideki Tanemura
Electronic Communications in Probability 29 ( 78 ) 1 - 12 2024年12月 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:The Institute of Mathematical Statistics and the Bernoulli Society 共著
標準のelephant random walkでは,過去に動いた方向から一様な確率でひとつを選ぶ.Laulin (2022) は,一様分布をべき分布に置き換えたモデルを導入しその性質を調べた.本論文では, Harbola, Kumar and Lindenberg (2014)によって提案された一方向のみに動きうるelephant random walkの場合にそのような問題を考察し,記憶の取り入れ方に関するパラメータpとべき指数βの兼ね合いにより3つの異なる相が現れることを証明した.第2臨界点の考察において,多種の粒子からなる分枝過程と比較する手法を導入した点に特色がある.
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How often can two independent elephant random walks on Z meet?
Rahul Roy, Masato Takei, Hideki Tanemura
Proceedings of the Japan Academy, Series A, Mathematical Sciences 100 ( 10 ) 57 - 59 2024年12月 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:The Japan Academy 共著
数直線上の2つの独立なエレファントランダムウォークは,記憶のパラメータpが3/4以下なら無限回出会うことができるが,pが3/4を超えると有限回しか出会えなくなることを証明した.
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Rate of moment convergence in the central limit theorem for the elephant random walk
Hayashi Masafumi, Oshiro So, Takei Masato
JOURNAL OF STATISTICAL MECHANICS-THEORY AND EXPERIMENT 2023 ( 2 ) 2023年2月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
Elephant random walkは,"step-reinforcement"と呼ばれる仕組みにより推移確率が変動する離散時間ランダムウォークであり,「記憶の強さ」に相当するパラメータα(-1<α<1)が臨界値1/2を超えると,通常のランダムウォークより大きなオーダーで拡散することが知られている.一方,劣臨界的・臨界的な場合には,ウォーカーの位置に関して中心極限定理が成立することが示されている.本論文ではこの中心極限定理におけるモーメント収束の速さがパラメータα(-1<α≦1/2)にどのように依存するかについて研究した.奇数次モーメント及び2次モーメントの収束はαを小さくするほど速くなるのに対して,4次以上の偶数次モーメントの収束はαを負の値にしてもα=0の場合より本質的には速くならないことを証明した.
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Comparison of limit shapes for Bernoulli first-passage percolation
Kubota Naoki, Takei Masato
INTERNATIONAL JOURNAL OF MATHEMATICS FOR INDUSTRY 14 ( 01 ) 2250005 2022年12月 [査読有り]
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
d 次元格子の各辺に対して独立に,その辺を通過するための「所要時間」として確率 p で 0 を,確率 1-p で1を割り当てる.原点から出発しある点に到達するまでの最短所要時間について調べるのがベルヌーイ・ファーストパッセージパーコレーションの問題である.所要時間 0 の辺が n 本つながる確率が n について指数的に減少する状況において,時間 t 以内に到達可能な格子点の集合 B(t) の平均的な形状が p を変えるとどの程度変化するのかを調べた.
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Almost sure behavior of linearly edge-reinforced random walks on the half-line
Masato Takei
Electronic Journal of Probability 26 ( 104 ) 1 - 18 2021年7月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:The Institute of Mathematical Statistics and the Bernoulli Society 単著
強化ランダムウォーク(Reinforced Random Walks)は,ウォーカーがグラフの各辺に与えられた重みに比例した確率で推移し,ウォーカーが通った辺の重みを増加させるというモデルである.半直線上の線型RRWについては,点xの右の辺の初期重みがx^aであるとき,ウォーカーが再帰的となるための必要十分条件がa≦1とわかっているが,この事実の簡潔な別証明を与えた.さらに,a≦1の場合に時刻nでのウォーカーの位置のオーダーについて詳しい解析を行ない,a=1の臨界的な場合は強化が及ぼす影響の度合いがa<1の場合とかなり異なることを示した.
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Functional central limit theorem for random walks in random environment defined on regular trees
Andrea Collevecchio, Masato Takei, Yuma Uematsu
Stochastic Processes and their Applications 130 ( 8 ) 4892 - 4909 2020年8月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:Elsevier 共著
b本ずつ枝分かれする木グラフの上の線型強化ランダムウォーク(各辺の最初の重みが1で,ウォーカーが通った辺の重みを毎回1ずつ増やすモデル)を考える.このとき,ウォーカーは非再帰的で,出発点からの距離はおよそ時間に比例することがわかっている.本論文では,出発点からの距離のゆらぎを表す曲線の分布をBrown運動によって近似する関数型中心極限定理をbが4以上の場合に証明した. ランダム環境中のランダムウォークと呼ばれるより広い枠組みでこの問題を取り扱っており,関数型中心極限定理が得られるための十分条件を与えている.極端な媒質が現れないための条件(一様楕円性)を仮定しない点に特徴がある.
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Limit Theorems for the ‘Laziest’ Minimal Random Walk Model of Elephant Type
Tatsuya Miyazaki, Masato Takei
JOURNAL OF STATISTICAL PHYSICS 181 ( 2 ) 587 - 602 2020年6月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
記憶をもつランダムウォークの一種であるelephant random walkは,uniform random recursive treeの上のパーコレーション問題と密接な関連をもつ.このパーコレーション問題における原点のクラスターの大きさについて,その情報をよく反映するelephant random walkの変形版を通じて解析した.原点のクラスターの大きさの全ての次数の階乗モーメントを正確に求めたほか,原点のクラスターの大きさに対する中心極限定理と重複対数の法則を全パラメター領域で証明した.後者の結果は,Coletti, Gava, and de Lima (2019)で解決されなかった問題に解答を与えている.
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On the rate of convergence for Takagi class functions
Shoto Osaka, Masato Takei
JAPAN JOURNAL OF INDUSTRIAL AND APPLIED MATHEMATICS 37 ( 1 ) 193 - 212 2020年1月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
至るところ微分不可能な連続関数の有名な例である高木関数の定義を一般化した,高木クラスの連続関数について,確率論的な見地からの研究を行なった.本論文では,関数を定める係数が大まかにいって指数関数よりも緩やかに減少する場合に典型的な点における極限関数への収束の速さを記述する極限定理(大数の法則,中心極限定理,重複対数の法則)が得られることを示した.一方,元祖の高木関数を含む,指数的に減少する係数を与えた場合には通常の意味合いでは大数の法則が成立しないことを証明した.
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Gaussian Fluctuation for Superdiffusive Elephant Random Walks
Naoki Kubota, Masato Takei
JOURNAL OF STATISTICAL PHYSICS 177 ( 6 ) 1157 - 1171 2019年10月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
Elephant random walkは,step-reinforcementと呼ばれる仕組みにより推移確率が変動する離散時間ランダムウォークであり,記憶の強さのパラメターがある臨界値を超えると通常のランダムウォークより大きなオーダーで拡散することが知られている.本論文では,この優臨界的な場合に記憶の効果によって形成されるドリフトからのゆらぎが正規分布となることを証明した.
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Phase transitions for edge-reinforced random walks on the half-line
Jiro Akahori, Andrea Collevecchio, Masato Takei
Electronic Communications in Probability 24 ( 39 ) 1 - 12 2019年6月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:The Institute of Mathematical Statistics and the Bernoulli Society 共著
強化ランダムウォーク(Reinforced Random Walks)は,ウォーカーがグラフの各辺に与えられた重みに比例した確率で推移し,ウォーカーが通った辺の重みを増加させるというモデルである.空間が1次元でも,重みの増やし方によってはどのような極限挙動を示すか判然としない場合がDavis (1989)以来残されている.本論文では初期重みと左向きにジャンプした場合の重みの増やし方との兼ね合いで生じる極限挙動の相転移について論じた.
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Limiting measures for addition modulo a prime number cellular automata
Masato Takei
International Journal of Networking and Computing 7 ( 2 ) 124 - 135 2017年7月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 単著
ルール90と呼ばれる1次元線型セルオートマトンは「ライフゲーム」の1次元版に相当する:強磁性的な性質と反強磁性的な性質とが混在している粒子系とみられ,複雑で興味深い挙動を示す.本論文では,ルール90, 150とその多状態版に対して,平行移動不変で混合的な初期配置の分布のクラスにおいて極限分布が存在するための必要十分条件を求めた.
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Periodicity for the Hadamard walk on cycles
Norio KONNO, Yuki SHIMIZU, Masato TAKEI
Interdisciplinary Information Sciences 23 ( 1 ) 1 - 8 2017年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
1次元2状態量子ウォークの中で最も基本的で重要なモデルがアダマールウォークである.本論文では,サイクル上のアダマールウォークにおいてどのような周期性が生じうるかについて考察している.サイクルの長さが2,4,8のときには周期がそれぞれ2,8,24であることが知られていたが,これ以外の長さのサイクルでは周期が現れないことを証明し,この問題を完全に解決した.
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Weak limit theorem of a two-phase quantum walk with one defect
Shimpei Endo, Takako Endo, Norio Konno, Etsuo Segawa, Masato Takei
Interdisciplinary Information Sciences 22 ( 1 ) 17 - 29 2016年11月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
本論文は「トポロジカル絶縁体」と関連した数学的モデルとみることのできる「1次元1欠陥2相系量子ウォーク」の極限挙動を数学的に記述することを目的としている.主結果として,ウォーカーの線型的な広がりと原点への局在化を示す弱収束極限定理を得ることができた.空間的に一様な1次元量子ウォークで局在化が起こらないこととは対照的である.また,長時間挙動を時間平均極限測度は原点に対して対称となることが以前の論文で判明しているが,本論文では弱収束の極限測度は原点に対して非対称となることを示した.
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Limit theorems of a two-phase quantum walk with one defect
Shimpei Endo, Takako Endo, Norio Konno, Etsuo Segawa, Masato Takei
Quantum Information and Computation 15 ( 15-16 ) 1373 - 1396 2015年11月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:RINTON PRESS, 共著
1欠陥アダマールウォークを含むより一般なクラスである「1欠陥2相系量子ウォーク」についての極限定理を研究した.このモデルの時間発展ルールは,数直線の正側・原点・負側に3種類の異なるユニタリ行列によって決まり,「トポロジカル絶縁体」とも関連する数学モデルとして注目される.本論文では,特に,定常測度と時間平均極限測度について詳しい計算を行なった.その結果,定常測度は原点に関して対称ではないのに対し,時間平均極限測度は出発点に対して対称となることが分かった.
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The non-uniform stationary measure for discrete-time quantum walks in one dimension
Norio Konno, Masato Takei
Quantum Information and Computation 15 ( 11-12 ) 1060 - 1075 2015年9月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:RINTON PRESS 共著
本論文では,1次元2状態量子ウォークの定常測度について論じている.Konno (2014)によって一様測度は定常測度であることが示されているが,この事実に極めて簡単な別証明を与えた.その応用として,広い範囲のモデルで一様測度が定常測度となることを示せるようになった.また,一様測度以外の定常測度が存在するかという問題を考察し,時間発展を定めるユニタリ行列が対角行列でないことが必要十分条件となることを示して,この問題を解決した.
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A conditionally sure ergodic theorem with an application to percolation
Michael Keane, Masato Takei
Stochastic Processes and their Applications 124 ( 11 ) 3651 - 3660 2014年11月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:ELSEVIER 共著
フラクタル格子のように,空間的な均質性(平行移動不変性)を欠く媒質中のパーコレーションにおいては,相転移の有無以上の情報を得る上で様々な困難がある.本論文では,エルゴード理論をうまく適用しうる確率法則でランダムに成長するフラクタル的な格子とその上のパーコレーション問題を研究し,無限クラスターの一意性を証明した.ここでの手法は高次元の場合にも有効である.証明で利用するエルゴード定理を「すべての見本グラフ」に対して成り立つ形に改良したことはそれ自身重要な結果と考えられる.
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Incipient Infinite Cluster in 2D Ising Percolation
Y. Higuchi, K. Kinoshita, M. Takei, Y. Zhang
Markov Processes and Related Fields 20 ( 2 ) 173 - 182 2014年7月 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:POLYMAT, C/O ELENA PETROVA 共著
2次元Isingモデルで臨界温度より高温の場合に,外部磁場をパラメーターとするパーコレーション問題を考えると,平衡分布のもつ「混合性」により独立なモデルと似た臨界現象が期待される.本論文では,臨界点で現れる大きなクラスターをとらえるための確率論的な道具であるincipient infinite cluster(IIC)測度を,独立なモデルの場合にKestenが与えた手法を拡張することで2次元Isingパーコレーションにおいても構成できることを示し,IICの大きさに関する最も基本的な評価式を得た.
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A one-dimensional Hadamard walk with one defect
Takako Endo, Norio Konno, Etsuo Segawa, Masato Takei
Yokohama Mathematical Journal 40 49 - 90 2014年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
本論文では1次元量子ウォークの代表例であるアダマールウォークを変形し,原点のみ異なるユニタリ行列を与えた「1欠陥モデル」の挙動を調べた.特に,定常測度,原点への復帰確率の時間平均,時間平均極限測度について詳しい計算を行なった.本来のアダマールウォークでは局在化が起こらないのに対し,1欠陥モデルにおいては原点のユニタリ行列における位相のずらし方によって局在化が起こるかどうかが左右されることが分かった.
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Scaling relations for two-dimensional Ising percolation
Yasunari Higuchi, Masato Takei, Yu Zhang
Journal of Statistical Physics 148 ( 5 ) 777 - 799 2012年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:SPRINGER 共著
2次元Isingモデルで臨界温度より高温の場合,平衡分布は外部磁場の状況によらず一意的で,強い混合性をもつ.高温相で外部磁場をパラメーターとする+スピンのパーコレーション問題を考えるとき,この混合性からベルヌイ型パーコレーションと似た臨界現象が期待される.本論文では,ある種の臨界指数の存在の仮定の下でベルヌイ型パーコレーションの場合と同じ関係式が成立することを証明した.
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Phase diagram of once-reinforced random walks on trees with exponential weighting scheme
Masato Takei, Masaki Takeshima
Statistics and Probability Letters 78 ( 17 ) 3000 - 3007 2008年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 共著
ランダムな木グラフ上のあるクラスの強化ランダムウォークの極限挙動の相転移を研究した.自己の軌跡というランダムな図形についてパーコレーション理論からの着想を生かした考察を行ない,臨界曲線を含む全パラメーター領域にわたって解明した.証明の過程で木グラフ上の強化ランダムウォークに一般的に適用しうる0-1法則や比較定理を得た.
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On traversable length inside semi-cylinder in 2d supercritical bond percolation
Nobuaki Sugimine, Masato Takei
Journal of Mathematics of Kyoto University 47 ( 1 ) 153 - 167 2007年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:KINOKUNIYA CO LTD 共著
2次元正方格子上のパーコレーション問題においては,全体のプロセスがどのような相にあるかによって,上半筒状領域内に制限したときの浸透の様子にも大きな差異が生じる.双対格子での連結確率が指数的に減少するという「優臨界相」に相当する状況で,到達可能長さについての極限定理を証明した.ランダムクラスターモデルはこの定理が適用可能な典型例である.
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A note on anisotropic first-passage percolation
Masato Takei
Journal of Mathematics of Kyoto University 46 ( 4 ) 903 - 912 2006年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:KINOKUNIYA CO LTD 単著
各辺eに,流体がそこを通過するのにかかる時間を表す非負の独立確率変数t(e)を与えて浸透領域のある意味での時間発展を調べる.辺eが水平方向か鉛直方向かに応じて異なる分布関数を与えたモデルを考察した.臨界相と優臨界相について,媒質分布の方向依存性が強くても最短到達時間の期待値は極限的に方向依存性をもたない現象を見出した.また,最適径路の長さに関する最も基本的な極限定理を得た.
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Remarks on central limit theorems for the number of percolation clusters
Nobuaki Sugimine, Masato Takei
Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences 42 ( 1 ) 101 - 116 2006年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:KYOTO UNIV 共著
木グラフ上,およびシェルピンスキ・カーペット(正方形を3×3に分割し,その真ん中にある部分を取り除くことを繰り返して得られる自己相似集合)を一般化したあるクラスの自己相似集合に対応する平面フラクタル格子上のパーコレーションにおける極限定理を研究した.特に,有限領域内のクラスターの個数に対する大数の強法則・中心極限定理を,臨界点を含む全パラメーター領域で証明した.
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Some results on the phase structure of two-dimensional Widom-Rowlinson model
Yasunari Higuchi, Masato Takei
Osaka Journal of Mathematics 41 ( 2 ) 237 - 255 2004年 [査読有り]
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:OSAKA JOURNAL OF MATHEMATICS 共著
2次元Widom-Rowlinsonモデルでは,各頂点が3つの状態をとり,相互作用には強磁性的な性質と反強磁性的な性質とが混在している.パーコレーションの視点からの研究により,相の共存が証明されている範囲全体で,空間のシフトで不変な純粋相が2つしかないことを示した.また,相の共存の有無が未解明である,粒子密度が非対称な場合にも新たな結果を得た.