研究発表 - 于 臣
件数 28 件-
「双減」政策からみる中国初等教育の課題
于臣 [招待有り]
21世紀の桜渓塾 読書会 2025年3月 芳井町まちづくり協議会「風を編む会」
開催年月日: 2025年3月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:芳井生涯学習センター 国名:中華人民共和国
本報告では、現在中国で注目を集めている「双減」政策について分析を行った。具体的には、小中学生が直面している過度な競争や学習圧力、「横たわり主義」の台頭、国家教育政策の変化、小中学生の心理的健康問題、そして学校教育の課題に焦点を当て、以下のような結論を導き出した。
まず、「双減」政策は、小中学生の学習負担を軽減し、多様な心理的問題の予防にも寄与すると考えられる。また、学習面における過度なプレッシャーや競争の緩和は、高校生や大学生に見られる「横たわり主義(寝そべり族)」の抑制・解消にも一定の効果をもたらす可能性がある。
一方で、学生および保護者の主観的な視点から見ると、学校側が宿題や試験の頻度を減らしたことは事実であるものの、進学に対するプレッシャーは依然として強く、ほとんど緩和されていないとの声が多く聞かれる。学生の成績は最終的に個々の自主的な学習努力に依存しており、依然として厳しい競争環境に置かれているのが現状である。このように、学校の方針がどれほど改善されたとしても、「進学」という目標に起因する社会的な圧力は、学生およびその家族に大きな影響を与え続けていると考えられる。
さらに、新しいカリキュラム改革のもと、教師たちは多くの課題に直面している。教師は、「双減」政策や間もなく導入される高校の週休二日制に対応するため、新たな教育方法や管理手法を模索する必要がある。そのような状況の中で、限られた授業時間内において教育効果をいかに高めるかが、最も重要な課題の一つであると言える。 -
マクロな視点からみる中国における国学の復興
于 臣
日中社会学会第36回大会 2024年6月 日中社会学会
開催年月日: 2024年6月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:駒澤大学 国名:日本国
本報告では、まず国学ブームの現状を紹介した。特に、国学という概念、その具体的な実例、そしてブームが勃興した背景・原因について検討を行った。
次に、本報告では民間の視点から国学復興の意義を分析した。一部の学者は、このブームが必ずしも国学そのものを深く探究する動きに直結するわけではないが、国学の普及に大きく寄与していると指摘している。報告者はむしろ、民衆が国学の再興を受け入れる動機に注目し、『中国倫理道徳発展報告(全国篇)』を参照しながら、現代中国社会の特質および道徳的価値観の再構築を志向する民衆の問題関心を明らかにした。
さらに、本報告は諸社会問題を解決する手段として政府が提唱する「社会主義核心的価値観」に着目し、政府が国学復興にどのような役割を果たしているのかを分析した。そこから、これまで重視されてこなかった中国文化の主体性形成に資する国学復興が、国力の増強にふさわしい文化力の向上を目指すという政府の意図と親和性を持つことが理解できた。
最後に、国学復興に内在する問題点を明らかにし、今後の可能性を探った。特に、国学復興が真に自国文化への自信の高まりにつながるのか、あるいはナショナリズムの表象として展開される危険性はないのかについて考察を行った。 -
Zhang Jian and the transfer of Western business practices through Japan into China
于 臣
第16回東アジア文化交渉学会 2024年5月 東アジア文化交渉学会第16回年次大会準備委員会
開催年月日: 2024年5月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福井県あわら市 清風荘
To chronicle Zhang Jian’s thoughts and actions, this presentation is organized into four major parts followed by a conclusion.
The first part outlines the historical context in which Zhang Jian was active.
The second part examines Zhang’s perspective on the transfer of Western technologies and business practices from Japan to China, with particular attention to his 1903 visit to Japan, which sheds light on the origins of his ideas regarding local self-government.
The third part explores Zhang’s efforts to improve political conditions in Nantong City and presents his concept of “people’s diplomacy” or “citizen’s diplomacy,” a form of engagement promoted by industrialists seeking greater involvement in national affairs.
The final part discusses Zhang’s views on managerial systems in modern Chinese enterprises. -
企業家活動と近代東アジアの国際関係について
于 臣(司会とコメンテーター)
第16回東アジア文化交渉学会 2024年5月 東アジア文化交渉学会第16回年次大会準備委員会
開催年月日: 2024年5月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福井県あわら市 清風荘
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Management Nationalism in Modern China Focusing on Zhang Jian as Gentry Merchant
于 臣
世界経営史学会
開催年月日: 2021年9月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
To chronicle Zhang Jian’s thoughts and actions, this presentation is divided into five major
parts. In the first part, I will discuss the historical circumstances within which Zhang Jian was
active. I am most interested in his transformation from a government official into a modern
entrepreneur. In part two, I will investigate how Zhang Jian collected funds to run his businesses,
including Guan-li, which played an important role in establishing Chinese modern enterprises. In
part three, I will examine his special business management and find the causes of his failure. Part
four illustrate his business ethics, especially his viewpoint on how to distinguish between the
concepts of “public” and “private.” This part also introduces his efforts for enhancing public
welfare. The last part deals with Zhang Jian’s limitation in terms of the spirit of entrepreneurship
by comparing with Shibusawa Eiichi. -
「在商言商」からみる近代中国商人の組織化 ―上海総商会の例を手掛かりに
于 臣
第13回東アジア文化交渉学会 東アジア文化交渉学会
開催年月日: 2021年5月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:二松学舎大学
発表者は上海総商会の指導層や活動を取り上げながら、近代中国商人における「在商言商」の意味を考察してみた。具体的にまず近代中国における「官」と「商」の関係を論じ、そこから商会設立の意義を解明する。次に上海総商会の成立過程およびその活動内容を考察することで会館、行会から継承する一面を明らかにすると同時に、会員組織における同郷団体のプレセンスを浮き彫りにする。最後に総商会の会長たる虞洽卿に焦点を当てつつ、五・三〇事件や中国実業家赴日参観団のことを論考することで「在商言商」の中身をあらたに明らかにした。
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Mu Ouchu's Views on Shiye and Shiyejia: Comparison with Zhang Jian
于臣
第11回東アジア文化交渉学会 関西大学、ドイツFAU
開催年月日: 2019年5月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:エアランゲン(ドイツ)
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近代中国の「実業」と「実業家」についての一考察 —張謇と穆藕初の言説を中心に
于臣
東アジアの近代と実業家の役割 北京外国語大学全球史研究院
開催年月日: 2019年2月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:北京外国語大学
筆者はこれまで捉えられた実業家の歴史像を見直し、複眼的な視点からもう一度考察するつもりで「実業」や「実業家」という用語の中身を細かく吟味した。とくに日中韓の「実業」や「実業家」が生まれた当初、ある種の経営ナショナリズムの色彩を帯びている。また筆者は比較の視座で日中比較を行い、日本資本主義の創始者とされる渋沢栄一が『論語』を再解釈することで近代日本の企業家精神の形成に大きな役割を果たしたのに対して、中国では実業家階層がなかなか生まれてこなかった。その理由についても「実業」と「実業家」という言葉を最高することを通じて解明してみた。
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近代中国実業家の自治思想ー穆藕初の言説を中心に
于臣 [招待有り]
東アジアの近代と実業家の役割 啓明大学校国際学研究所
開催年月日: 2019年1月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:啓明大学校
筆者はケーススタディとして近代中国2代目の実業家たる穆藕初(ぼくぐうしょ)の言動をとりあげ、彼の直面している課題、ならびにその解決方法を分析し、その独自性を浮き彫りにした。穆藕初は西洋の科学管理法を取り入れながらこれまでの実業家たちが直面した課題を解決しようとした。また問題の解決にあたり、彼は政府行為や国内の政治経済情勢を重視しながらも実業家自身の問題を分析する。実業家だけではなく、彼は「自治」能力の弱さを国民性の欠点としてとらえている。そのために彼は管理者の自治精神の養成だけではなく、職業教育の方法、商人の政治への関与、ならびに国民の責任感への呼びかけにおいても自立、主体性、自発的なイニシアティブの必要性を唱えた。
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近代中国の実業家からみる「伝統」と「近代」
于 臣
近代東アジアにおける実業家の果たした役割に関する総合研究会 于 臣
開催年月日: 2018年7月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:横浜国立大学国際教育センター
筆者は中国の近代産業が失敗した原因はどこにあるか、また「伝統」といかなる関係があるのかを念頭に近代中国実業家の言動を考察した。具体的に実業の運営は「国」のためか「社会」のためか、また実業家が伝統と近代に直面したときの内心の葛藤を明らかにした。中国の実業家が実業運営に取り組むときに、簡単に富を積むものではなく、救国の圧力を背負うことになる。また官と商のあるべき関係について各企業家のスタンスには共通性があることも判明した。
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中国からみる渋沢栄一
于 臣
「渋沢栄一と国際交流」第5巻研究会 渋沢栄一記念財団
開催年月日: 2017年12月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:国際文化会館
1914年に中国を訪問した渋沢栄一国民外交を唱道していた。彼は日中両国が同文同種の関係であり、思想や風俗、趣味において共通している点が多いので提携しなければならないと主張した。筆者は1910年代の日中関係ならび渋沢栄一の持論を念頭に置きながら、訪中時の彼の言動に対する現地のマスコミやメディアの見方を取り上げることで当時の中国がどのように渋沢栄一を見ていたか、また何故そうみたのか、その原因を究明した。とくに「利権」思想における渋沢の限界を浮き彫りにした。
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近代中国の「孔教」論と『論語と算盤』
于 臣 [招待有り]
『論語』と『算盤』が出会う東アジアの近代―渋沢栄一と三島中洲 二松学舎大学私立大学戦略的研究基盤形成支援事業『近代日本の知の形成と漢学」・渋沢栄一記念財団
開催年月日: 2017年1月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:倉敷市立美術館3F講堂
中国最後の儒者と称される梁漱溟の伝統思想に対する見方を考察した。梁は『論語』を人生実践の学問とし、孔子学問の宗教性を否定し、人間の生活を指導するものであると主張した。また梁は『論語』による道徳規範の協調よりも理性の開発における孔子の貢献を指摘した。さらに渋沢栄一が商工業立国の理念をアピールするために『論語』を解釈したこと(『論語と算盤』)とは対照的に、梁漱溟は農村建設の必然性と必要性を力説し、特色のある郷村建設理念を展開したのである。
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張謇と西洋式経営システムの導入
于 臣
Zhang Jian and the Transfer of Western Business Methods through Japan into China 世界経済史学会
開催年月日: 2016年4月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
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従実業概念剖析張謇的公利思想
于 臣
中日企業家精神および企業史比較研究国際シンポジウム 2022年12月 中国華中師範大学
開催年月日: 2022年12月
記述言語:中国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:オンライン
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「一気の自然」からみる山田方谷の義利両立論
于 臣
第14回東アジア文化交渉学会 2022年5月 韓国啓明大学校
開催年月日: 2022年5月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:韓国啓明大学校Online 国名:中華人民共和国
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「一気の自然」からみる山田方谷の経世思想
于 臣 [招待有り]
備中倉敷学10周年記念シンポジウム
開催年月日: 2015年9月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:倉敷公民館
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Zhang Jian's Business Management from the Perspective of Shibusawa Eiichi's Gappon-shugi
于 臣
第十七回世界経済史会議
開催年月日: 2015年8月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都国際会議センター
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比較の視座から再考する渋沢栄一の『論語』読み―近代中国の孔教論を手掛かりに
于 臣
東アジア文化交渉学会第七回国際シンポジウム 東アジア文化交渉学会
開催年月日: 2015年5月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:神奈川県開成町
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渋沢栄一「経済道徳一致説」への再考―武藤山治の実業論との比較を通じて
于 臣 [招待有り]
東アジア日本学会 東アジア日本学会
開催年月日: 2014年5月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:仁川大学校松島キャンパス
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渋沢栄一の中国認識
于 臣
アジア研究会年度大会2014
開催年月日: 2014年3月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:フィラデルフィア
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張謇と西洋ビジネスモデルの受容
于 臣
第一回世界経営史大会
開催年月日: 2014年3月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:フランクフルト
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渋沢栄一と中国―商工業立国思想を中心に
于 臣
第61回日本思想史の会
開催年月日: 2013年12月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:法政大学
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渋沢栄一研究の現状と課題
渋沢史料館30周年記念パネル・ディスカッション『飛鳥山から世界へ』
開催年月日: 2012年11月
記述言語:その他外国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京都北区飛鳥山博物館講堂
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近代日中両国における実業家団体の交流についての一考察
世界の中の東アジア―多元文化交渉の諸相
開催年月日: 2011年7月
記述言語:その他外国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:関西大学以文館
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近藤渡清実業団と南洋勧業会
経営史学会
開催年月日: 2010年10月
記述言語:その他外国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:札幌大学
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町人の学問からみる公共哲学―石田梅岩の「商人道」を中心に
第97回公共哲学京都フォーラム「公共する人間としての石田梅岩を日中韓で語りあう」
開催年月日: 2010年7月
記述言語:その他外国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:リーがロイヤルホテル(大阪)
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渋沢栄一と<義利>思想-張謇との比較を通じて
渋沢研究会
開催年月日: 2010年1月
記述言語:その他外国語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:早稲田大学
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実業家からみる「義・利・公・私」観念
于 臣 [招待有り]
講演会 神奈川大学人文学会
開催年月日: 2009年5月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:神奈川大学